みやげばなし(2002.1.12〜1.14)

その3



3日目は7時に起床。
爽やかな青空、凛とした空気。
きょうは江戸情緒を追って歩くことにする。
蒲田から日暮里まで電車で移動。
そして、歩く。

谷中霊園。
墓地の中の梅がもう咲いていた。

三崎坂。
千駄木。
寺町の静かな路地をゆく。
ウグイス餅を売る店を見つける。
朝の散歩のお年寄りたちが挨拶を交わす。
よどみのない東京言葉を耳にする。
お寺の境内には、大きなだいだいがいくつも生っている。
そんな風景も岩手の僕には珍しい。

団子坂を上り、
鴎外や啄木が好んで散歩したという薮下通りを歩く。
犬を連れた人たちや、カメラを手にした人たちとすれ違う。
閑静な住宅地。
渡辺篤史のテレビに出てくるような住宅をいくつも発見した。
近くに漱石の旧居跡もあったはずだが、よくわからなかった。

根津神社を通って、
三浦坂。
善光寺坂。
妙福寺というお寺の前でこんなものを発見した。

剃髪した女の人(和尚さんか)が庭を掃いていた。
たくさん持っていってくださいと言われたが、
一個だけいただいてきた。

ここまできて、
僕の東京観は変わった。
東京って、いい街だよな。

立原道造記念館。
竹久夢二美術館。

東大の脇を通り、不忍池へ。

横山大観記念館。

爬虫類館というのが見えたので、
動物園の中を通ることに。
爬虫類のほうはゾウガメとかアナコンダとかがいたが、
家族連れでごちゃごちゃしているし、
熱帯の動物だから部屋が蒸し暑いし、
期待したほどではなかった。

外の檻を一つずつ見て回る。
アフリカの動物たち。
これが意外とおもしろかった。

サイ。


ゾウ。
 

上野から地下鉄で浅草へ。
雷門。
仲見世。
人込み。
晴着を着た新成人もちらほら。
外国の人が珍しがって、カメラのシャッターを押していた。
ここでお好み焼を喰った。
屋台のおじさんはくしゃみをしていた。
そら風邪引いたぞ。オレはわかるんだ。と言っていた。

水上バスに乗って日の出桟橋へ行った。
いちばん印象に残ったのは、隅田川沿いの青いビニールシート。
家族連れの父親が、
あそこにはホームレスが住んでるんだね。と言っていた。
超高層団地に住む人もいれば、
家に帰れずホームレスになってしまう人もいる。

桟橋から新橋まで、
ゆりかもめに乗った。
知らなかったのだけど、
ゆりかもめって完全に無人で走ってるんだ。
先頭に陣取ってたのは子どもたちだった。
驚いた。

新橋から東京駅まで歩く。
銀座の楽器店でCDを買った。
最近は中東の音楽にはまっているのだが、岩手の店じゃ皆無だ。
だからといって、東京が充実しているわけではない。
きっと、そういう専門店かなんかがあるのだろうが、
今度来る時までに調べておこう。
イスラエルのを買ってみた。
それからアフリカはエチオピアのも。
さらにバニラスカイのサントラまで買ってしまった。
きょうは部屋でかけまくっていたよ。

東京国際フォーラムの地下道は東京駅に繋がっていた。
長い長い通路を、動く歩道を通って進んだ。
いつものことだが、東京駅では迷ってしまう。
地下の食堂でビールを飲んで、
新幹線では寝ていようと思ったが、
ほとんど眠らないうちに盛岡に到着した。
ちょっとアルコールが足りなかったみたいだ。

ああ、帰ってきてしまった。
夢から覚めて現実へ。
"open your eyes"ということか。



 

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