ソウルに行ってみて



 1999年も押し詰まった12月26日から4日間。韓国はソウルへと旅をしてきました。母親と叔母を連れての家族旅行です。最初は親戚10人くらいで行こうと言っていたのですがそれぞれ忙しく、結局3人で行くことになりました。
母親は初の海外旅行。いつか連れて行くからといっていたのですが、今回それがかないました。仙台空港から2時間ちょっとという近さ。実は韓国といってもキムチや焼肉しか思い浮かばなかった私、この近さと安さゆえに韓国を選んだというのが正直なところです。何の準備もなく気楽に出かけた旅でした。
 某旅行社のパック旅行だったのですが、参加したのは我々3人だけ。ガイドのキムさんといっしょに1ボックスの車1台でソウルの街をあちこち回りました。
ソウルは快晴でしたが、日陰にはわずかに雪が残り、ところどころ凍ってつるつるでした。気温は盛岡くらいでしたが、ずいぶん空気が乾燥していました。
韓国では車は右側通行。日本で見慣れた車種を多く見かけましたが、よく見ると左ハンドルで、エンブレムが違います。ヒュンタイ(現代)、デウ(大宇)などのメーカーは日本のメーカーと提携しているんですね。
 街を南北にわけるように大河漢江が流れ、その両岸には高層アパートが立ち並んでいます。漢江岸のアパートが一番家賃が高いのだそうです。家賃といっても日本とはシステムが異なり、入居の時に一度に大金を納め、引き払う時にはそれが戻ってくるのだそうです。銀行の利子が高く、経営者は家賃を預けてその利子で利益を得ているということでした。以前は利率が15%くらいあったが、今は下がって8%くらいだそうです。
韓国は日本と時差がありません。日本より西にあるので日の出の時刻も遅くなります。ちょうど冬至に近かったので、朝7時を過ぎてもまだ真っ暗なのです。真っ暗な中通勤の車が走って行く光景は、日本の東に住む私には珍しかったです。
 いろいろうまいものも食べましたが、中でも本場のキムチは格別。とにかく毎食キムチだけは欠かさないそうです。それと、海苔がとてもうまかった。塩味で胡麻油の風味があって、すっかり気に入りました。
 当然のことながらどこにいってもハングル文字ばかり。漢字やローマ字は予想よりもはるかに少なかったです。また、ホテルで見たテレビ番組はクイズもドラマも日本とそっくりでしたが、言葉はかろうじて外来語が聞き取れるだけ。こんなに近い国どうしなのに、お互いの言葉がわからないというのはとても残念です。少しずつでもハングルを勉強してみようかと思いました。
 日本を東の起点として、少しずついろんな国を訪れてみれば、人種や文化などすべての移り変わりがわかるんじゃないかと、そんなことを考えました。
 2002年にはワールドカップもあるし、日本と韓国の新しい関係ができつつあるという気がします。もっとたくさんの人がお互いに行き来するようになればいいと思いました。修学旅行でもぜひ、ということにはならないかなあ。