ものがたり



 

学生時代に書いたものがありました。
友人4人が集まって、
そのころ出たばかりのワープロを使って、
原稿はコンビニでコピーして、
手作りの雑誌を作ったのです。
一生懸命話し合って、
ささやかながらも、
自分たちの本を作ったのです。
20部も作ったでしょうか。
誰の目にも触れられることなく、
ときに埋もれてゆくものがたりたち。
忘れられてゆく僕らの生きた証。
友人の一人は、
もうこの世にいません。
インターネットで、
自分のホームページで、
今では自由に好きなことが発表できる。
もしあいつがいたら、
喜んでどんどん書きまくっただろう。
そんなことを考えると、
つたないものがたりではあるけれど、
僕にとっては、
だきしめたくなるような、
いとしいものがたりなのです。



 

サボテンのはなし   寒い街
 
 
 
 



home